レビューのレビュー

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(5) 義弓くー様によるTEADのレビューのレビュー

今回は義弓くー様より頂いたレビューを拝見しての感想を、本文を引用しながら書かせていただきました。レビューを見てて語りたくなったことを此処ぞとばかりに語っているだけです。そういうものなので、退屈かもしれませんが悪しからず…。
それでは参ります。

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とある島の兵士たちにスポットを当てたお話です。
主人公含め、メインキャラ達は軍に所属をしています。
主人公のディル。幼馴染のアルス、剣士のエゼノス。指揮官&医者のサンテリオン。
そして、この4人の名前の頭文字を取って「TEAD」という、お洒落、カッコいいタイトルがグッドです。

タイトルをお褒め頂けたのには驚きました!作者としてはリリース後に何かと難があると気づいたもので…。まずエゴサーチが出来ませんorz でもってタイトルを見ても全くどんな作品か分かりませんorz それから、TEADをリリースして1~2年後に「RWBY」というアニメがあることを知ったのですが、主人公のチームメンバーの頭文字を取っているという点でTEADと全く同じ発想でしたorz 確かサンテのスペルをSanteかThanteにするかはタイトルにしたときSとTどちらがしっくりくるかで決めたと記憶しています。4文字の並び順は何でもいいかと思いきやキャラの色順の都合で変えられないですね;(黄→緑→水色→紫というグラデーションになっている)。
ちなみに先日、姉妹作の「+ 冬のぬくもり +」でこういうタイトル付けができるのかと考えてみたのですが、メインキャラがデミラ・バーク・ユリシオ・ヴィサーク・ジード→D・B・Y・V・Zと子音しか無くて破綻(というかメインキャラ4/5人が濁音で始まるとかいうことに気付きましたwww)。TEADのキャラはよく母音で始まるのが2人も居たなと。

【良かった点】

★まずは、良かった点を挙げさせて頂きます。
「舞台設定が練られている」事と「キャラクターがそれぞれの役割と個性」を持っている部分が特に良かったと感じました。

開始早々、緊急招集で呼ばれた主人公達が「何者か」でこれが「どういうの物語」かが事件発生と共に語られます。そして、その舞台となる島がどういう歴史と規約をもつ場所かも説明が入ります。

この段階で、どういう人達がどこで何をするのか…が明示されるのでお話に気持ちを持っていきやすかったですね。

また、登場キャラも皆、分かりやすく個性が出されているので、それが台詞や行動にもよく出いていて読んでいて楽しかったです。
・アルスはいわゆる元気な感じだけど、ちゃんと心の弱さをもつ青年。
・エゼノスは不器用だけれど、それが可愛らしい部分でもある青年。
・サンテリオンは掴みどころが難しく柔らかい感じだけれど、心の内には強い信念をもつ青年。

――といったところでしょうか。勿論、プレイヤー視点となる主人公のディルも言動と行動にキレを持つ、魅力あるキャラクターに仕上がっています。
それぞれのキャラクターのバックグラウンドもちゃんと用意されているので、物語に奥行きを感じられました。

この辺りが、義弓さんの分析が非常に的を射ていると感じた点の1つです。実際、この作品は舞台設定とキャラクターから生まれています。島国の歴史や文化、技術水準なども作中に描かれていない部分も含めてある程度設定がありますし(無駄に地域別のトイレの設定などもあったりする)、キャラクターについても4人とも幼少期からエンド後まである程度生い立ちの設定があります(その一部はサイドストーリー集「GreenGrass」にて描かれています)。
逆に言うと、後天的に半ば無理やり乙女ゲームに仕立てたのでゲームとして若干無理がある(例えば序盤に攻略対象が確定してしまう等)のはそのためです。因みに、初めから乙女ゲームとして設計したのが先ほども登場した姉妹作「冬のぬくもり」の方になります。元々練習台となる予定だったが話が膨らみすぎてTEADと同程度のボリュームになってしまったものです;
キャラについて補足すると、後々見聞きして知ったのは、「こいつはこういうキャラ」と決めたらそれを徹底的に貫くような描写をする方がお話を書く上でのテクニックとしては一般的なようですね。例えばサンテであればキザなまま突っ走らせておく、とかでしょうか。ただ、個人的にはそういう作為的な描写を好まないので割と各キャラが複数の要素を持っていたりします。上記のご感想で頂いているように"元気だけど弱さも持つ"・"柔らかそうだけど信念を持っている"といったような複数の特徴が挙がってくるのはそういう背景ゆえかもしれません。もっと言うとアルスは戦場だと弱音を吐かなかったりしますし。尚、リアルな人間は複数の側面を持っているのか?という点については、そもそも自分が持つ性格や特性をディル・アルス・エゼノス辺りに振り分けているのを考えると、そういうものかなと思っています。

★そして、クリア後のヒントやショートストーリーなどのサポート&ご褒美が嬉しかったですね。
私の初回はアルスルートでした。その後、他ルート攻略のヒントなどが開示されるのですが、そこもちょっとした「キャラによる味付け」がなされており良かったです。キャラを大事にしているのを感じました。

こういった「本編以外も楽しめる要素」は好きなので嬉しいです。
それに、攻略ヒントもキャラ別に用意されていて、分かりやすかったのも助かりました!
※ただサンテリオンはちょい苦戦しました。(年齢の所でどれを選んでもルート確定できなかったので…、その前で色々と試しました)

おまけ部屋についてもお褒め頂き幸いです!義弓さんの作品もクリア後の特典にはこだわられている印象があったのでプレイした際に密かに共感?していました。
サンテのサバ読みクイズは自分でもあまり納得いっていない部分で、どうしようもなくて苦肉の策でしたorz 直前にロフとの会話で年齢の話題が出ており、且つ1周していればExtraにロフのキャラ紹介(年齢付き)が出ているはずなので、それらの情報から逆算すると割り出せる仕様です。または作品紹介ページに直接記載されています。中高生時代に国語が苦手だったり過去に複数の作品で理不尽な(?)選択肢を見たりしていたので、絶対に根拠がある選択肢(根拠が無いなら正解率100%を要求しない選択肢)にするというのは重視していました。ただ、特にこの選択肢については根拠が遠すぎる感が否めませんorz エゼノスもノーヒントだとキツいと思うのですが(アルスやサンテのルートに若干ヒントを仕込んであるのを差し引いても)、フラグ折れるのが比較的わかりやすい(1つでも誤るとその後の選択肢が発生しないため)という点ではサンテより攻略しやすかったかもしれません。どのみち、幾分の理不尽を承知で、ノーヒントだと1度くらいはノーマルに落ちるように設計してはいました。少し考えて辿り着く個別エンドの方が見れたときの達成感があるかなと思いまして…ただ、理不尽すぎたり作業ゲーになると(プレイヤーとしては)萎えるので、バランス調整は重要課題です;

【気になった点】

★そんな良い点とは別に、気になった点も挙げさせて頂きますね。2点程ありました。

1:
主人公「ディル」の性別が中盤まで明言されておらず揺らいでいました。

どういうことかと言うと、ディルは女性でありながらも兵士として生きているため、その言動や振る舞いが男性勝りな部分があります。ビジュアル的にも長髪の青年という印象を受けました。

なので、「乙女ゲームだけど、男性主人公の友情系なのかな?」という解釈で私は読み進めていました。この手のジャンルに疎いため、そういうのもあるのか、と思っていました。
主人公の性別が他キャラから明言されるのは中盤であったため、シナリオ的に差し支えないのであれば、早々にプレイヤーに示してもいいかなと感じました。

見た瞬間に脳内で悲鳴が上がりました!!ぬわああ゛ーーっ!!というのも、実は公開して間もない頃に類似の趣旨のコメントを頂いたことがありまして(※「きゅん」「たそ」はいずれもネットスラングの類で、前者は「くん」の訛りで中性的な男の子に用いられ、後者は「◯◯たん」の変形で女の子に用いられる)。ついでに、とある大手サークルさんの乙女ゲーム?に同名の男の子キャラが居たりもするようです。ということで、この辺りが義弓さんの指摘が的確すぎる点Past2でした。
元々ディルたそについてはあまり大っぴらに女子だと示したくないという意図があるのですが、このレビューを拝見してすぐに考えて「入れるならあのシーンにこういう形で」という案は浮かんだので今後アップデートする機会に実装したいと思います(Ren'Pyのバージョンが上がった際にスクリプトの整理を検討しているので実施するならその際にと)。

2:
戦況などの情報の提示方法にもう一工夫あれば、分かりやすかったかもしれないです。

本作の物語の大半は戦場とその基地にて紡がれます。作中で「**に敵が攻めてきているから**から応戦」のような会話が飛び交うのですが、如何せんテキスト情報のみなので、把握が難しいなと感じました。

物語の主軸は戦況展開ではなく、各キャラの関わり合いではあるため、結果的には、そこをちゃんと把握せずとも全く問題はありません。
ですが、初回プレイだと「どの情報・展開の把握が重要か」が分からないため、この辺りは改善の余地ありかな?と感じました。

序盤で「誰を戦地に先行させるか」といった内容の選択肢がでるので、「このゲームでは戦況把握が重要になるのか…!」と思う人もいるかなと。プロローグでせっかく舞台の地図なんかも出ましたし、上手く活用できそうかなとも。

ここのご指摘も(良い意味で)刺激的?でした。戦闘シーンあるのに描写薄いですし理想的は随所に戦闘シミュレーションやRPGのような戦闘を組み込めたらな~などと夢見たりもしていたもので。お察しの通り、基本的には攻略に必要の無い情報で、矛盾が無いように注意しつつ雰囲気だけ伝われば良いという意図で書いていました。どう改善できるか少々考えたいです。きちんと描写する方に転がすか、重要でない感を出す方に転がすか。
矛盾やリアリティの喪失は恐れていたので、ファンタジーの世界観の戦闘に詳しくないながらも素人なりにある程度の設定は考えてはいました。下図は内部資料として用意していた戦場のマップです。その他、自軍・敵軍の敵の数、加えて島国の人口、島の面積もざっくりですが設定を用意はしています。ボロが出るのを恐れて作中には掲載しませんでしたが…。

(まとめ)

以上が本作を読み終えての私の感想となります。
「練られた舞台」と「生きているキャラクター」を楽しむことができる作品であると私は感じました。
気になった方は是非プレイしてみてはいかがでしょうか。

本当に、非常に的確なレビューを頂き大変ありがとうございました。
当方も義弓さんの「十三階段の花子さん 磨」および「ななしのおろち」シリーズの一部をプレイさせていただいています。他の作品についても含め、詳しくは義弓さんのHP(BLUE AZALEA)を覗いてみてください!看板娘?の黒森つつじちゃんが出迎えてくれます。

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以上です。ご覧の皆様も最後までお付き合い頂きありがとうございました!!









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